ボランティアの保険事情をサイトを比較してまとめてみた
ボランティアの募集ページを読んでいると、「ボランティア保険に加入してください」「保険は主催者が加入します」といった一文がよく出てくる。言われるまま入ろうとしても、どこで、いくらで、いつから効くのかは、募集ページには書いていないことが多い。
そこで、社会福祉協議会(社協)の窓口で入る「ボランティア活動保険」の公式の案内を読んで、要点をまとめた。*確認日2026年10月23日。
ソース元は保険の取扱代理店である株式会社福祉保険サービスのサイト「ふくしの保険」の「ボランティア活動保険」「ボランティア行事用保険」のページ令和8年度のパンフレット(PDF、全8ページ)保険契約者は全国社会福祉協議会で、引受保険会社は損害保険ジャパン(幹事)と東京海上日動火災保険の2社
入る場所は、近くの社協の窓口
- 加入するには、社協(または社協が運営するボランティアセンター)への登録が要る。登録の方法は社協ごとに違うので、最寄りの社協に聞く
- 加入申込書に書いて署名し、保険料を添えて社協に出す。社協が受付印を押して保険料を受け取った時点で手続きが終わる。申込書の2枚目が「加入証」になる
- インターネットでは入れない(大きな災害のときだけ、特例で加入サイトが開くことがある)
- 一部の都府県の社協では、この保険を扱っていないことがある
スマホで申し込んで終わりとはいかない。社協の窓口に一度は行く前提で考えたほうがいい。
期間は年度単位。途中で入っても、3月31日で終わる
- 令和8年度の補償期間は、2026年4月1日午前0時から2027年3月31日午後12時まで
- 年度の途中で入った場合は、手続きが終わった日の翌日午前0時から、同じく2027年3月31日まで
- 途中で入っても保険料は同じ。途中でやめても保険料は戻らない
気をつけたいのは「翌日から」のところ。活動の当日の朝に窓口で入ってもその日は補償外になる。入るなら活動の前日までに手続きを終わらせておく。
もう一つ、2月に入っても3月に入っても、3月31日で切れる。4月以降も続けるなら入り直しになる。
費用は年350円。地震などまで補償するプランは500円
令和8年度の1人あたりの年間保険料と、主な補償額はこうなっている(団体割引20%適用済み)。
- 基本プラン:年350円
- 天災・地震補償プラン:年500円(基本プランの補償に、地震・噴火・津波による死傷を足したもの)
- 死亡保険金:1,040万円
- 入院保険金日額:6,500円
- 通院保険金日額:4,000円(事故の日から180日以内の、90日が限度)
- 賠償責任(他人にケガをさせた、物を壊した):5億円が限度
台風などの風水害による死傷は、基本プランでも補償される。熱中症、活動中に食べた弁当による食中毒も対象。自宅と活動場所の行き帰り(通常の経路)も含まれるが、帰りに買い物に寄るなど、別の目的で動き始めた時点で補償は外れるので注意が必要。
一方で、靴ずれ、車酔い、しもやけは「急激かつ偶然な外来の事故」に当たらないとして、対象外と書かれている。むちうちや腰痛も、医師が検査で異常を確かめられないものは対象外。
対象にならない活動もある
ここが募集を選ぶときにいちばん関係する。対象は「自発的な意思により他人や社会に貢献する無償のボランティア活動」で、次のものは対象外とされている。
- 報酬が時給・日給・月給などで払われる活動(交通費・昼食代・材料費などの実費の支給は、無償とみなす)
- 学校の管理下の活動、資格や単位の取得、インターンシップが目的の活動
- 自宅で行う活動
- 企業の営利事業の一環として行う活動、企業活動・プロスポーツチーム・音楽イベントなどのサポートのための活動
- 野焼き・山焼きを行う、またはチェーンソーを使う森林ボランティア、銃器を使う害獣駆除、海難救助・山岳救助
つまり、このサイトに載っている「お金がもらえる仕事」は、この保険の対象にならない。対象になるのは、無償のボランティアのほうだけだ。
1日だけの参加なら、主催者が「行事用保険」に入っていることも
社協には、行事を開く側が参加者の分をまとめて入る「ボランティア行事用保険」もある。こちらの方がメジャーなので一般的には活動参加時にこれに入るのではないかと思われる。令和8年度の保険料は、宿泊を伴わない行事で1人1日28円から(河川清掃・草むしり・空き缶拾いなどの区分)。ただし、草刈機やチェーンソーなどの電動器具を使う行事は対象外。
肉体副業に載っている募集では、こう書かれていた
2026年10月23日に、肉体副業のサイトに載っている案件の記載例は以下。
- 神奈川県「きれいな道づくり活動」(道路清掃ボランティア):県がボランティア保険の加入手続きをする。参加者の費用負担はなし
- 静岡市の援農ボランティア(ZRATTO!しずおか):市が加入する「全国市長会市民総合賠償補償保険(ボランティア活動)」の対象。手続きも保険料も市が負担し、補償期間は登録日から同じ年度の年度末まで。年度ごとに登録し直す
- 越生町(埼玉県)の援農ボランティア:「援農ボランティアは、ボランティア保険の対象外」と書かれていて、自分で傷害保険に入り、登録申請書に保険の写しを付ける。保険料と交通費は自分持ち
- Save Earth Foundation の森のボランティア活動(千葉県山武市):主催者が「グリーンボランティア保険」に入っていて、保険料は参加費に含まれている
同じ援農ボランティアでも、市が入ってくれるところと、自分で傷害保険に入る必要があり、「ボランティア保険の対象外」と書いているところがあった。もし気になるのであれば事前に自分で年間の保険に入っておこう。
調べてわかったこと
- 社協のボランティア活動保険は、年350円(天災・地震補償プランは500円)。入るのは近くの社協の窓口で、ネットでは入れない
- 補償は手続きの翌日から、3月31日まで。活動の前日までに入っておく
- お金がもらえる仕事、チェーンソーを使う森林作業などは対象外
- 主催者が保険に入っている募集もあれば、自分で入るよう求める募集もある。募集ページの「保険」の欄を事前に確認
保険料や補償額は令和8年度のもので、年度ごとに変わることがある。最新の内容は「ふくしの保険」のサイトか最寄りの社協で、各募集の保険の扱いはそれぞれの公式ページで確認してほしい。